番外編

塾に行く途中の事であった。いつも通りの通い道。
近所の飼い犬が通行人に向かってほえる―――。それは普通にある光景に思えた。
しかし、そうではなかった。
その通行人はその場に腰を下ろし、その犬に向かって「五月蝿い」と言い放ったのだ。
しかも、何度も。怪しいったらありゃしない。
酒に酔っていたのか、はたまた、そうでなかったのか。
 
自分は思わず笑ってしまった。余りにも愚かな光景だったからだ。
犬は自分の縄張りに干渉するものに向かってほえる。それは当然の行動である。
こう言う時はその場から去れば良い。しかしその通行人は去らずに「五月蝿い」と言い続けた。
その努力は称えよう!!(ェ